福岡城の歴史や見どころ 天守はあった?交通や営業時間情報も

2019年12月3日

福岡城は1600年の関ケ原の戦いの功績によって筑前52万石を与えられた黒田長政が築いた城です。
福岡市営地下鉄の大濠公園駅を降りてすぐの場所にあり、石垣や濠、櫓や門などの遺構を見ることができます。

福岡城の歴史

関ケ原の合戦の後、豊前国中津から筑前に入った黒田如水と長政の親子は、当初、前領主であった小早川秀秋の居城である名島城に入城しましたが、手狭だったため、52万石の大大名にふさわしい城を新たに築くことにしました。
いくつかの候補の中から、古代の迎賓館である「鴻臚館」があった福崎の地が選ばれました。

こうして1601年から実に7年もの期間をかけて、福岡城が完成することになったのです。

黒田二十四騎のひとりである野口一成が普請奉行として工事を指揮しました。
野口一成は後に、徳川家が再建した大坂城や江戸城の石垣工事に携わり、石垣工事の名人と称されたそうです。

ちなみに豊臣秀吉の天下取りに大きな功績があった黒田官兵衛如水は、福岡城の完成を見ることなく1604年にこの世を去っています。

福岡城に天守はあった?

現在、福岡城に天守台の石垣は残っていますが、一般的には天守は存在しなかったといわれています。
けれど、浜松城のように天守がなかったと伝えられている城でも、発掘調査の結果、実は天守が存在した可能性が高くなっている例もあり、また、隣国豊前の領主であった細川忠興の手紙に福岡城の天守についての記述があるそうです。

もしも天守が存在していたなら、天守台の規模から考えてさぞや壮大な建物ではなかったのではないか、などとさまざまな想像がかきたてられますね。

福岡城の見どころ

そして、天守は現存しませんが、福岡城には伝潮見櫓や南の丸多聞櫓などの建造物が現存しています。
特に南の丸多聞櫓は城郭建築には珍しい切り妻屋根で、一見の価値ある建物ですよ。

また、現在の福岡城跡は、かつての福岡城の一部なのですが、歩いてみると大変広いことに気付かされます。
さすが筑前一国を領した大大名の城なのだと実感できるのではないでしょうか。

加えて大手門付近の濠にも注目です。
なんとその幅は50メートルを超える巨大さなのです。
これは、当時の火縄銃の弾が届かないようにという考えによるもののようです。
ちなみに福岡城跡の横にある大濠公園もかつては福岡城の濠の一部だったんですよ。

福岡城跡の大部分は現在舞鶴公園となっており、1年中24時間いつでも出入り自由です。

そして、城跡には入場無料の「福岡城むかし探訪館」という施設があります。
ここでは福岡城のCG再現映像や福岡城の再現模型を見学することができます。
開館時間は09:00~17:0012月29日~1月3日は休館日となっています。

福岡城跡復元整備のための寄付を募集中

現在福岡市では福岡城跡の歴史的建造物の復元整備のための寄付を募集しています。
10,000円以上の寄付で芳名板が作られ寄付者の氏名が掲示されるそうです。

興味のある方は検討してみてはいかがでしょうか。